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2012年1月

10ヵ月

3月11日の東日本大震災から、10ヵ月が過ぎました。

年が明けてから、初めて迎える11日。
なんとなく落ち着かない一日でした。

被災地以外の場所で、どれだけの人があの日に
思いを馳せてくれたのでしょう。

どれだけの人が、今日が10回目の11日だと
覚えていてくれたのでしょう。

きっと1ヵ月前より、その数は少なかったはずです。
そして1ヵ月後は、より少なくなっていることでしょう。

どうしても記憶は風化していくもの。

それをつなぎとめようと、被災地にいる人間は日々、
必死にそれぞれの想いを発信しています。

その想いが、どうか一人でも多くの人に届きますように。

2011年には終わってほしくありませんでした。
2011年が終わることで、震災がより遠くになってしまい
そうだったから。

年が明けても忘れないよという言葉をいただく一方で、
風化はスピードを増して。焦りと怒りを覚えました。

だからこそ、より強く、より長く、伝えていきたいと思います。

新幹線の中で被災して、長時間車中に閉じ込められて。
なんの情報も得られないまま、数時間してようやく得た
ふるさとの第一報は、「相馬市、壊滅状態」でした。

あの日あの時の絶望は、今でも鮮明に覚えています。
あの日あの時の絶望は、生涯忘れられません。

救助されて避難所で初めて映像を見て、

「この世の終わりがきた」

そう覚悟しました。

今でもその覚悟は続いています。

私たち福島人は、これからいろんなものを諦めて
いかなければならなくなるのでしょう。

それは生まれ育った町で生きることだったり、
夢を追い続けることだったり、結婚して家庭を
持つことだったり、健康に生きることだったり。

いつかは命を諦めなければならなくなる日が来るの
かもしれない。心身の健康は日々害されてるのだから。

それでも、ただひとつ、どうしても諦めたくないもの。

それは、ふるさと。

他の何を諦めても、ふるさとだけは諦めるつもりは
ありません。

いつか必ず、ほんとうの空を取り戻すその日まで。

それが、震災10ヵ月目の私の誓いです。

犠牲になった人々の分まで。ふるさと復興のために
尽力していきたいです。

10回目の、14時46分

1月11日 14時46分

黙祷。

数多の命を飲み込んだ海に向かって手を合わせる人。

爪痕残るふるさとや、遠く離れた避難先で手を合わせる人。

心のなかでそっと祈りを捧げる人。

それぞれが、それぞれの想いを抱えて、
それぞれの場所で迎えた、10回目の11日。

記憶は月日の流れとともに風化するもの。
悲しみは月日の流れとともに蓄積されるもの。

被災地の外では一日ずつあの日が遠くなっていっても、
ここに生きる私たちは一日ずつ悲しみを新たにする。

全国版の報道番組では、おまけ扱いしかされなくなった11日。
真実を伝えるべきはずの報道が、記憶の風化を助長している。

せめて11日くらいトップニュースで扱ってくれてもいいじゃないか。
あの日を忘れない、なんてウソばっかり。

そんな怒りさえ覚えた、10回目の11日。
でも、心を寄せ続けてくれる人がいる事実も知っているから。

そのことに感謝して、これからも生きていこう。
悲しさ、苦しさ、悔しさに加えて、怒りも覚えたけれど。

やっぱり今日の私を支配するのは悲しみで。
でも毎月11日は思い切り悲しみに浸ろうと決めている。

亡くした人にはもう何もできない。できることはせめて
故人を偲んで泣くことくらいだから。

思い切り泣いて悲しんで。
そうしなければ、前には進めないから。

2011年を抱えて

季節の移ろいも感じられないまま、過ぎてしまった2011年。
気がつけば、2012年の元日もまもなく終わろうとしています。

毎年大晦日には、その年に「さよなら」を伝えて新しい年を
迎えていたのですが、2011年にはさよならをしませんでした。

2011年はあまりにも悲しみが多すぎて。悔しさが大きくて。
どうしようもないから。心のもやもやは晴れないから。

どんなに楽しいときでも、震災や原発事故が離れることは
片時もなくて。どうしたって心からは笑えないから。

だから、悲しさも、苦しさも、悔しさも、全部大切に抱えて
2012年も生きていこういこうと、そう決めました。

去年の冬はとても雪が多くて大変でした。豪雪に悩まされた
冬がやっと終わったと安心した3月、あの震災が起きました。
すべてが変わってしまったあの日。あの日から今日で297日。

いっぱい泣いて、怒って、ときに笑って。
みんな一生懸命生きてきました。

悲しかった。苦しかった。悔しかった。

その2011年は過ぎ去ってしまったけれど、悲しさ、苦しさ、
悔しさは、2012年も続いていきます。

それでも、今年は少しでも笑える回数が増えればいいなと
思います。災害のない、心穏やかな年になりますように。

ただただ祈りながら、一日一日を生きていきます。

まだ震災中のふるさと福島で。

2012年も2011.3.11とともに。

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